シミ(老人性色素斑)の原因


シミ(ここでは一般的な老人性色素斑のことをシミということにします)の主な原因は紫外線ですが、実は様々な原因があり、複数の原因が絡み合っている場合もあります。


・紫外線

シミの原因の80パーセントは紫外線によるものといわれています。

紫外線が肌に当たると、紫外線を遮断するために、皮膚の表皮でメラニン色素が作り出されて、肌が黒くなります(日焼け)。

通常メラニン色素は皮膚のターンオーバーにより剥がれて無くなりますが、過剰にメラニン色素が作り出されたり、肌のターンオーバーが正常におこなわれなかったりすると、メラニン色素が肌に残り、シミとなります。

ターンオーバーとは表皮の新陳代謝、生まれ変わりの事をいい、通常約28日かけて皮膚表面の角質層は垢(あか)となって剥がれ落ちます。


・加齢

加齢とともに新陳代謝が衰え、肌のターンオーバー周期がおそくなります。

若いうちは28日でも、40代にもなると40日かかると言われています。

こうなるとメラニン色素の排出が間に合わなくなり、蓄積されて、いずれシミが発生します。


・ホルモンバランス

ホルモンバランスの乱れは、色素細胞を刺激する場合があります。

これによってメラニン色素が過剰に生成され、シミの原因となります。

また、ホルモンバランスの乱れは、ターンオーバーの乱れを引き起こします。


・ストレス

ストレスは免疫力を低下させたり、ホルモンバランスを乱したり、ターンオーバーに影響することから、シミの原因となります。

人間関係や仕事のストレスだけではなく、寒さによるストレスなども、シミの原因となります。

体が冷えると血行が悪化し新陳代謝が低下し、ターンオーバーも遅れがちになるということにもつながります。


・内臓の機能低下

肝臓の働きが悪くなると新陳代謝が衰え、ターンオーバーが遅くなるため、シミの原因になります。

過労、睡眠不足、偏った食事や過食などは肝臓の働きを悪くするので、シミの遠因となります。

すい臓や腎臓などの内臓トラブルも同様に、シミの原因になります。


・自律神経の不調

自律神経とは、心臓を動かしたり汗をかいたりするなど、自分の意思ではなく自動的に働く神経のことです。

自律神経は、ホルモン分泌も調整しています。

生活習慣の乱れや過労、ストレスなどによって自律神経が不調になると、ホルモンバランスが乱れるため、シミの原因となります。


・食べ物

ビタミンCを多く含んだ食材にはシミを予防しますが、そんな食材の中に、補給タイミングや補給方法を間違えると逆にシミの原因になってしまうものがあります。

レモン パセリ、クロレラなどは、いずれもビタミンCを多く含んだ食材ですが、ソラレンという紫外線感受性を高める物質が含まれています。

ソラレンは紫外線に敏感に反応し、メラニン色素をつくりやすくするようです。

しかしソラレンは、摂取してから数時間で代謝されて消えてなくなるので、外出前に摂らなければおおむね問題ありません。


・不摂生

すでに何度も出てきていますが、不規則な生活や睡眠不足や食生活の乱れは、自律神経の不調を招き、ホルモンバランスを乱し、ターンオーバーを乱し、メラニン色素を過剰に生成させる、などの悪影響を引き起こし、シミにとって良いことはありません。

また喫煙も、血流の減少、酸素不足、活性酸素の産生、ビタミンCなどの抗酸化物質の消耗などを生じて、皮膚老化を促進し、シミの原因にもなると言われています。


なお、老人性色素斑以外のシミの原因については、「シミの種類」のページで軽く触れていますので、そちらをご参照ください。